ハーバードビジネススクールの人間行動学講義

ハーバードビジネススクールの人間行動学講義,著者:ポール・R・ローレンス,ニティン・ノーリア

ハーバード・ビジネスの<人間行動学>講義

あなたは不思議に思ったことがありませんか?

 

有名企業で給料も高いのに、社員の不満が大きく、離職率が高い会社。その一方で、会社の規模は小さく、給与も高くなくないのに、社員が生き生きと働いてる会社。

 

成果主義を取り入れて、やればやるだけ収入が上がるのに、自分の成績ばかり気にしていて、社員同士の関係がギスギスして、結局社員が疲れきっている職場。その一方で、お金にはすぐに結びつかないけれども、社員が率先して自分たちでアイデアを考えたり出し合ったりして、社員間の人間関係が良く、モチベーションの高い職場。

 

なぜ、こんなことが起きるのでしょうか?

その原因はほとんどの場合、経営者やマネージャーが人を突き動かす、人間が先天的に持つ本質を無視して職務を作ったり、職場で社員や部下を動かそうとしているからなのです

 

ハーバード・ビジネススクールで発見された人を突き動かす4つの衝動とは?

 

 「人を突き動かしてる物は何か?」この問い対する答えを求めて、ハーバード・ビジネススクールの人間行動研究機関(産業研究部門)は研究を続けてきました。学問の分野や境界線を超え、人間行動研究という一点のみを目的にして、実験を研究室で行うだけでなく、実際に人々が働いている職場を人間の行動の研究の場として観察してきました。

 

その長い研究の結果、著者のハーバード・ビジネススクール組織行動学名誉教授のポール・R・ローレンスとハーバードビジネススクール学長のニティン・ノーリアが発見したのが、人を突き動かしているのは、人間が生まれもって持っている「4つの衝動」だということです。

 

人間には以下の先天的に持つ4つの本能的な衝動があるのです。

 

獲得衝動
「物」や「経験」を獲得し、他人よりも高い地位を手に入れたいという衝動

 

親和衝動
互いに相手を気遣いながら、長期にわたって親密な絆を結びたいという衝動

 

学習衝動
ものごとを学び、周囲の世界を解明したいという衝動

 

防衛衝動
愛する人たちや資産を危害から守りたいという衝動

 

これらの衝動は人間の本質の中核を成しており、あらゆる選択において極めて重要な役割を果たしているのです。

 

ここで自分自身、あるいは親しい人の人生を振り返ってみてください。おそらく、4つの衝動のすべてを(少なくとも人生全体を通して)満たしてきた人たちは、1つの衝動だけに執着してその他を犠牲にしてきた人たちよりも、充実感を感じているのではないでしょうか?

 

獲得活動を無視してきた人は、自分に自信が持てず、成功を嫉妬するようになるでしょう。親和活動をないがしろにして来た人は、虚無感を抱き、世間から切り離されたような気分になるに違いありません。

 

学習活動を無視し、好奇心をを満たす機会のない人生を送った人は、自己啓発のチャンスを失ったと感じるはずです。防衛衝動を無視してきた人や、心ならずもその欲求を満たすことができなかった人は、虐げられたように感じ、被害者意識を抱くようになるでしょう。

 

人間は4つの衝動のすべてを満たさずにはいられないのです。なぜなら、それらは人間という種の進化の遺産だからです。この4つの衝動は、進化学的特性(われわれの遺伝子が生き残って種を維持する能力)を高めてくれるという理由から、長年に渡って淘汰を勝ち残ってきたのです。

 

これらの衝動はそれぞれ独立的に働くことによって、人間の思考や選択をコントロールしています(すべての衝動を同時に満たすことは難しいため、私たちは必然的に意図的な選択を強いられます)。つまり、この4つの衝動こそが、人間という存在、つまり複雑な動機を持ち、複雑な選択を行う、複雑な存在をつくり上げているのです。

 

ハーバードビジネススクールの人間行動学講義

著者:ポール・R・ローレンス,ニティン・ノーリア

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どうすれば、社員の能力を最大限に引き出すことができるのか?

 

 たとえば、職場においてあらゆるレベルの社員が受け入れざるを得ない最も基本的なことは何か?それは「個々の仕事の性質」です。どのような職務設計を行えば、4大衝動を持った人間の能力を最大限に引き出すことができるのだろうか?その答えは至極簡単です。当然ながら、あらゆる仕事は、4つの衝動のすべてをさる程度満たさなければならないのです。

 

つまり、「すべての」仕事において「獲得衝動」「親和衝動」「学習衝動」「防衛衝動」を発揮できる機会を与える必要があるのです。1つか2つの衝動しか満たすことのできない仕事は(仮にそれらの衝動を存分に満たすことができたとしても)、4つの衝動をバランスよく満たしてくれる仕事に取って変わることはできないのです。

 

このシンプルなルールは、企業の経営者やリーダーが職務設計を行う際の基本原則とならなければなりません。

 

ですが、こうした基本原則は、言うはやすし、行うは難しです。特に企業はどれか1つの衝動がもたらす業績を重視し、その他の衝動を無視しがちな傾向があります。例えば、成果主義で競争を煽り、獲得衝動を満たす営業ばかりを重視している会社は多いのではないでしょうか。ですが、それでは結局はうまくいかないのは、もうお分かりでしょう。

 

では、具体的にどうすれば良いか?

 

その具体的な解決策を、この本「ハーバード・ビジネスの人間行動学講義」が教えてくれます。

 

実際、4つの衝動をバランス良く取り入れなかったために衰退した会社や業界。それとは逆に、職務に4大衝動を取り入れていることを見事に理解し、実践しているからこそ世界的な規模でリードできている会社をケーススタディで示してくれています。

 

さらに、あなたが実際に経営者やリーダーとして職場で実行すべき原理原則や4大衝動をマネジメントにどう活かすかなどの具体的な方法も知ることができます。

 

それでは、その内容の一部を見て行きましょう。


目次・章立て

PART1知の統合を目指して人間の本質の理解への序論
CHAPTER1
包括的な人間観の追求 … 25 無意味な人生だったと気づいた瞬間… 28
4つの本能的な衝動とは何か… 30 新たな経済観が台頭した21世紀… 32
人を突き動かしている衝動の正体… 35 期待外れに終わったソ連崩壊後のロシア革命… 37
新しい人間観が必要な時代… 40 タブーに挑むときがやって来た!… 42
ハーバードで生まれた全く新しい学問… 44 人間の行動様式を科学で読み解く… 46
CHAPTER2
人間の心はどのように進化してきたのか … 49ダーウィンが証明した生物の多様性… 52
チンパンジーの脳と人間の脳の違い… 54脳という情報の再分析・再処理システム… 57
心をつくり出した進化のステップ… 59 脳科学を発展させた1人の男… 62
脳が記憶する4つのプロセス… 64 人間はもとから言語能力を持っていた… 67
CHAPTER3
生まれながらの衝動とスキル … 71乳幼児が持つ驚異的言語能力… 74
ダーウィン的生態メカニズム… 76大躍進を可能にした生得的スキルの融合… 78
アインシュタインの前頭前野… 80大脳辺縁系というモジュールの集合体… 82

感情が脳の目標をつくり出す… 85 賢いサルが人間に進化した仕組み… 88
人間の脳が進化した3つのステップ… 89

 

PART2人を突き動かす4つの衝動
CHAPTER4
獲得衝動(D1)… 93富と地位の両方を得たい衝動… 97
獲得衝動は性的欲求に由来?… 99進化経済学と伝統的経済学の対立… 101
太りすぎは飢餓への恐怖の後遺症… 1023日後の120ドルより今日の100ドルを選ぶ… 104
衝動買いをやめられない人たち−欲望依存症の実体… 107「相対的地位」は絶対的利益に勝る… 108
野心と嫉妬を上手にマネジメントする方法… 111自己利益の追求と道徳の両立… 114
CHAPTER5
親和衝動(D2)… 119誤解された「適者生存」理論… 123
人々が社会的絆を求める理由… 125親和衝動は進化の産物… 129
女性が男性を選ぶ唯一の絶対基準… 132配偶者選択の過程で脳は発達した… 134
親和衝動と獲得衝動の本当の関係… 137乳児はほほえみでコミュニケーションする… 140
道徳観は人間の生来的スキル… 142チンパンジーに道徳観はあるのか… 145
人間には組織と一体化したい本能がある… 148学習衝動(D3)… 155
学習衝動を裏づける宗教と芸術の普遍性… 159情報を求める好奇心という根源的欲求… 162
学習衝動の独立性を裏づける証拠… 167学習能力から見た人間の3タイプ… 169

文化や地域性で学習能力は変わるのか… 170知識を共有するメリット、デメリット… 174
チンパンジーの学習と人間の学習の違い… 175学習衝動から派生した6つの欲求… 177
学習衝動を仕事に活かす方法… 179新しいものに飛びつく学習衝動の負の側面… 181
CHAPTER7
防衛衝動(D4)… 185最も発達した防衛衝動というスキル… 188
防衛反応を引き起こす扁桃体というモジュール… 191人間が不合理な行動をしてしまう理由… 194
防衛衝動は3つの衝動とどう関わっているのか… 195 戦争という防衛衝動の負の側面… 203
4つの衝動の独立が深めた対立… 2054つの衝動がもたらした環境適応力… 208

 

PART34大衝動の実態具体的なコンテクストにおける人間の本質
CHAPTER8文化、スキル、感情
新たなパズルのピース … 211過小評価されていた感情の役割… 215人間は本当に自由意思を持っているのか… 218
人間が先天的に持つ「6つの知能」… 2214大衝動の葛藤を和らげる生得的スキル… 224
経済取引に表れる地域的文化特性… 230モノを購入するときの脳内情報処理システム… 234
CHAPTER9
社会的動物」の誕生 … 237進化生物学者が提示した人類進化4つのヒント… 240
配偶者選択に表れる女性の投資理論… 243人間を進化させた女性特有の本能… 246
異性の好みは先天的に決まっている?… 248人間が一夫一婦制を選んだ本当の理由… 250
女性の親和衝動が男性を改良した… 253人間の進化はすべて女性がつくった… 256
部族の出現−共同体の誕生… 260
CHAPTER10
多様性はどこから生まれるのか? … 265文明の発展は資源の有無で決まる… 268
旧世界と新世界を分けたトウモロコシの栽培… 270なぜ異性の好みは地域によって変わるのか… 272
流行が起こるサイクルは偶然決まる… 275技術革新が招いた狩猟民族の衰退… 277
国家システムの誕生と男女の不平等拡大… 280産業革命が文化の多様性を促進する… 282

1000年も対立が続いたイタリア北部と南部… 283イデオロギー盲信は進化の負の側面… 285
人間の脳は意外と保守的… 288イデオロギーは人の不安につけいる… 290
カルト宗教が台頭してきた背景… 292曲解されたマルクス理論の本質… 293
なぜ人間に個人差があるのか… 295スキルは遺伝しても性格は遺伝しない… 297

 

PART4人間の本質と社会
CHAPTER11
職場生活における人間の本質 … 3014大衝動を持った人間のためにつくられた企業… 304
リーダーが職場で実行すべき原理原則… 306リーダーが学ぶべき集団の輪を保つ方法… 308
顧客は4大衝動を満たす企業を選ぶ… 310ゼネラル・モーターズと会社の理想像… 313
大量生産システムで上司の権限が拡大… 315GMの躍進とフォードの衰退の原因… 316
政治力で延命を画策したGM… 3194大衝動を満たした日本の自動車業界… 322
日本企業が手本にしたGMのマーケティング… 325 信頼関係の有無が企業の盛衰を決める… 327
米国製造業が復活する9つのポイント… 329ヒューレット・パッカードと会社の理想像… 332
4大衝動説をマネジメントにこう活かす… 341会社への愛着を人一倍持つのがリーダー… 343
株主、従業員、顧客を満たす経営手法… 344
CHAPTER12
未来への展望 … 347競争優位性から適応優位性の時代へ… 351
新古典派経済学は万能ではない… 353ロシアとアイルランドの明暗を分けたもの… 356
4大衝動説の真のメリット… 3684大衝動説は芸術と科学を統合させる… 373
〈後記〉未来への研究提案… 377

著者略歴… 383

 

 などなど、人間を突き動かしている4つの衝動を活かして、あなたの会社や職場の社員の能力を最大限に引き出せる秘訣が盛りだくさんです。この本を読み終わるころには、あなたは社員の成果を上げる秘訣だけでなく、 最大のパフォーマンスを発揮できる職務設計をする方法も知ることができるでしょう。

 

「本書は学問分野の境界線を大胆に飛び越え、最新の生物学研究がいかに人  間の本質や社会科学行動の解明に役立つかを示している。社会科学者はこの重要な研究に注目すべきである。」

フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』著者

「獲得衝動」「親和衝動」 「学習衝動」 「防衛衝動」という人間が先天的に持つ4つの衝動やスキル、知性、感情を効率的に取り入れ世界に向かって価値ある商品やサービスを設計・生産・販売できたら株主、顧客、従業員といったすべての関係者にメリットをもたらすはずである。
その有機的な解決策とは何か?
経営者なら誰でも知りたい答えを、われわれは本書で提示した。

ポール・R・ローレンス&ニティン・ノーリア

ハーバードビジネススクールの人間行動学講義

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著者紹介

ポール・R.ローレンス

ポール・R.ローレンス

 

ハーバード・ビジネス・スクールウォレス・ブレット・ドンハム記念組織行動学講座名誉教授

 

ミシガン出身。アルビオン・カレッジで社会学と経済学の学士課程を修了。ハーバード・ビジネス・スクールで組織行動学の修士号・博士号を取得。ハーバード・ビジネス・スクールではジョン・P・コッターと並んで、組織行動学の看板教授だった。組織における人間行動を科学的に探究することを旨とし、人間行動の観点からアプローチした1990年代のロシアの変革を追った評論では定評がある。

 

「Organization and Environment」「Renewing American Industry」「Administering Changes」「Behind the Factory Walls:Decision Making in Soviet and U.S.Enterprises」など、共著も含む26冊の著作を発表した。

 

ニティン・ノーリア

ニティン・ノーリア

 

ハーバード・ビジネススクール学長。

 

インド工科大学ボンベイ校で化学工学の学士号を取得した後、マサチューセッツ工科大学スローン・スクールで経営学博士号を取得。1988年よりハーバード・ビジネススクールで教鞭を執る。リーダーシップ、企業刷新、組織変革を専門に研究。企業の現場でインタビューを行いながら、経営の実態を踏まえた鋭い論文を発表し、多くの経営者に影響を与えている。75編以上の論文と、ジョージ・R.テリー賞を受賞した「The Differentiated Network」を含む16冊の共著者・共編著書を発表している。

 

現在、ハーバード・ビジネススクール学長として、同スクールの教育改革に熱心に取り組んでいる。

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ポール・R.ローレンス/ニティン・ノーリア

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